ヨガとマインドフルネス
マインドフルネスとは
マインドフルネスの誕生
最近人気のマインドフルネスは、日本とも深い関わりがあります。
元々マインドフルネス(正確には、「マインドフルネスストレス低減法」) は、マサチューセッツ大学医学部名誉教授のジョン・カバットジン博士によって開発されました。
このジョン・カバットジン博士は、日本の禅を学び、その影響を強く受けた人です。
彼は禅の瞑想の持つ効果に注目し、それを精神医学の心理療法として取り入れることを考えました。
博士は、仏教の修行法が、不安症やパニック障害などの精神疾患に効果があると考えましたが、瞑想から宗教的な要素を省き、ストレスで精神的に苦しんでいる人のための治療プログラムとして、「マインドフルネスストレス低減法」を開発したんです。
博士は、自身の開発したマインドフルネスストレス低減法について、次のように語っています。
『マインドフルネスストレス低減法は東洋思想や技法をベースにしているのであるが、それをわかりやすくプログラム化している。
仏教は宗教であり、特別な修行法であると思い込んでいるところがあるが、仏陀は人間の悩みに取り組んだ人でありその解決法を示してくれているのであるから、仏教思想や修行法は万人のためのものであるということである。
それを現代的にプログラム化 して、問題解決に役立てるというのが、マインドフルネスストレス低減法の主旨であるといえる。』
(『マインドフルネスストレス低減法』J・カバットジン著 春木豊訳 北大路書房)
まるで仏陀(ブッダ)のことを、優れた心理カウンセラーのように例えていて面白いですね。
マインドフルネスとは、「今の瞬間」に集中している心の状態、あるいはそこに至るプロセスのことです。
日常のわたしたちは、その逆の状態にいます。
膨大な量の情報に絶えずさらされ、頭の中ではあれこれ常に考えています。
心の中でも、様々な感情が常に渦巻いています。
そういったゴチャゴチャになった状態から、自分を引き離す方法・導きがマインドフルネスです。
「今ここ」の瞬間の自分の体験を注意深く観察し、好き嫌いや善悪といった評価をせずに、あるがままの状態で受け入れ、常に初めてのように先入観なしにその状態を体験し、一瞬一瞬を何気なく過ごすのではなくて「今ここ」をしっかり丁寧に味わう事が出来るようになります。
ただし、余計なことは考えず、感情的な評価もしません。
嫌悪や不安や怒りといった感情から離れ、頭に渦巻く様々な思考からも離れ、そういったものの影響を受けない静かなところに自分自身を置くのが、マインドフルネスです。
なぜ今話題なの?
日本でも、マインドフルネスは女性誌やビジネス総合誌で特集が組まれ、今やマインドフルネスをタイトルにした書籍が多数出版されています。
NHKでも、何度か特集が組まれています。
多くの医療現場や企業での研修などにも役立てられています。
元々マインドフルネスは、アメリカでストレスへの対処法として人気があり、かつ普及していました。
グーグルをはじめフェイスブックやアップル、インテル、スターバックス、マッキンゼーといった超一流の世界的企業のほか、政府機関の研修でも、ストレス対策として取り入れられているのは有名ですね。
そのため、日本を含む世界中で、マインドフルネスは非常に広まっています。
これほど急速に広まっている原因は、ストレスが現代社会に蔓延しているからではないでしょうか。
ビジネスの現場だけでなく、教育現場や地域社会、あるいは家庭でも、現代社会ではどこにいてもストレスにさらされています。
生きているだけでも、膨大な情報の洪水にさらされ、無意識のうちに膨大な情報を処理しています。
頭の中も心の中も、リラックスして休めるときがありません。
現代人は、常にあれこれ考えすぎている状態なのです。
そのせいで、心身ともに疲れています。
なのでこのような精神を休ませる手法が人気となり、リラックスや癒し、瞑想などが話題になってきたと考えられます。
私が「マインドフルネス」を知ったのはアメリカ人からでした。
その人は柔術を習っていて日本の武道や文化も大好きでしたが、アメリカの大都会に住み、人間関係に苦しみ、ストレスも大きかったようです。
その人から「マインドフルネスを知ってるかい?日本ではどう?」って聞かれたのが初めてこの言葉を耳にした瞬間でした。
当時は日本でもさほど話題になっていませんでしたが、ネットや本からそれを学び実践。
でも日本でもすぐに普及してきましたね。
ものすごい勢いでした。
ですけど、その意味の持つ神髄が少しづつヅレてきているので、しっかりと勉強し、”それを実践”、さらには”それを人に正確に伝える”人が必要だと感じています。
マインドフルネスヨガ
マインドフルネスヨガとは?
マインドフルネスヨガは、アーサナ(ヨガのポーズ)を行ないながらマインドフルネス瞑想を行なう方法です。
もともとジョン・カバットジン博士の開発したマインドフルネスストレス低減法では、マインドフルネスヨガが取り入れられています。
それほどマインドフルネスとヨガとは、強い結びつきがあります。
マインドフルネスヨガでは、ヨガのポーズをとりながら、身体の感覚を自分自身で観察します。
身体の感覚は、「今ここ」で起きていることなので、マインドフルネスヨガをすれば、必然的に今の瞬間に集中することになります。
「今、ここ」で起きているものは、その他にも、呼吸や感情などもあります。
それらも確認し、コントロール出来るようになります。
ヨガを行ないながらマインドフル瞑想を行なうメリットは、瞑想に入りやすいことです。
もともとヨガのポーズ(アーサナ)は、瞑想の為の動き・形なのですよ~!
静止した静かな状態のとき、外からは静かに見えても、心の中が静かとは限りません。
人は逆に何もしてないときの方が、あれこれと余計な考えが出てくるものです。
ヨガで身体を適度に動かすことによって、自然と関係ない雑念が浮かびにくくなり、瞑想にスムーズに入りやすくなります。
海の、深~い底の事を思い浮べてみてください。
海の底は沈黙で静かですね。
海の表面で波がぶつかっても、海の底にある小石や砂はそれほど動かない。
心の中では海の表面のように考えや気持ちがぶつかります。
それでも深い部分はゆるがない、それが深海です。
マインドフルネスヨガは、ポーズを取りながら自分を見つめる事で感情のコントロールが出来るようになり、心の平和を取り戻すことが出来るようになります、またはその道を作ってくれます。
深海のような平和な生活を目指しましょう。
他のヨガとの違い
1990年台後半から、フィットネス的なヨガが世界中で流行しました。
日本のフィットネスクラブ等で行われているヨガは、このタイプのヨガになります。
健康の増進を目的としてはいますが、アーサナ(ヨガのポーズ)を中心としたレッスンを行なっています。
一方、マインドフルネスヨガは、健康の増進よりも、身体や心の感覚を通じて、今の瞬間に集中している心の状態をつくることを目的としています。
このためにマインドフルネスヨガでは、ヨガのポーズの中でも最も簡単なものが採用されます。
そのためマインドフルネスヨガは、ヨガ未経験者や初心者でも、問題なく実践できます。
椅子に座った状態でも大丈夫です。
ただし、上級者と呼ばれているヨギーニほど、瞑想をより行い、マインドフルネスを取り入れた精神でヨガを行っているのも確かです。
基本に戻る事も出来、初心者も上級者にも、トライする事やそれを継続する意識の壁はありません。
身体を無理のない範囲で伸ばしたりねじったりし、その感覚を観察していくので、とても気持ちいいと思います。
初心者の方だと、思っていたイメージと違うと感じるほど、小さくて地味な動きばかりです。
マインドフルネスヨガの効果
マインドフルネスヨガの効果は、基本的にはマインドフルネス瞑想と同じですが、身体を動かすことにより、自然と余計な雑念を考えなくなり、スムーズに今の瞬間に集中できる点が、一般的なマインドフルネス瞑想との違いになります。
マインドフルネスヨガの効果は、ストレスの軽減、免疫力が高まること、集中力のアップ、幸福感が増すことなど、様々な効果があります。
リラクゼーション効果もあるため、終わったあとは、リラックスしてとてもスッキリした感覚を味わえます。
マインドフルネスヨガは、初心者や未経験者の方でも安心して体験できるヨガですので、ぜひ体験してみてください。
アメリカ人の知り合いも私も常にマインドフルネスの話題に触れ、実行。
その効果について会話そのものではしていませんが、声や顔などでお互いに確認・理解しています。
日本でのマインドフルネス状況や日本人への効果も気になるらしいですが、確認は私からしか出来ないので、もっと多くの声を^^、と思っています。
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